存在証明

とは名ばかりの趣味のさくぶん。

蓮の花の匂いがするお前がボヤケてて見えた

見慣れたグレーのロングコートも

見慣れた黒いレザーのハンドバッグも

見慣れた黒いヒールの靴も

何もかもがいつもとは違った

 

違ったはずなのに、お前に重なる数々の景色

 

木更津アウトレットで改めて思い出したし

湘南平の夜景の輝きなんて目に入らなかった

赤レンガでのキスはなんだったんだろう

 

突然止まってた時間が動き出した

ボヤケてたお前がいつも通りのお前だった

俺を惹きつけたお前は確かにその君だったし

俺が大好きでたまらなかった君は確かに君だ

 

一つだけ頼みがある、聞いてくれ

俺に触らないでくれ

俺のことを前までのように見ないでくれ

俺は今でもお前が一番好き

俺はそれを受け入れて、今を生きている

 

君に想いをもう一度伝いたい衝動も

君を抱きしめたい衝動も

君の唇を奪いたい衝動も

 

こんな俺じゃどうにもできない

頼むから君が俺を導いて欲しい

 

―特別な人は居ないよなんて、信じたいけど…